最近ではデビットカードのCMを見る機会も増えましたが、クレジットカードとの違いを説明できますか?
単純に現金で支払う手間をなくす(キャッシュレス)だけであれば、デビットカードとクレジットカードには大きな差はありません。
しかし、節約を考えるのであればクレジットカードの方にメリットがあります。
この記事では、デビットカードとクレジットカードの違い、デビットカードの方が向いている人はどんな人かについて説明していきます。
目次
デビットカードとは何?
そもそもデビットカードとは、自分の銀行口座と紐付けることで店舗やインターネットショッピングでの買い物ができるカードのことです。
キャッシュカードのように現金を下ろすのではなく、支払い金額がリアルタイムに自分の銀行口座から引き落とされます。
店舗や決済金額にもよりますが、レジでデビットカードを使用する際には暗証番号やサインが必要になるケースもあります。
ここまでは、クレジットカードでの支払いイメージに近いかもしれませんが、デビットカードとクレジットカードを比較すると主に次の5つで違いがあるのです。
デビットカードとクレジットカードの5つの違い
デビットカードとクレジットカードを比較すると細かな違いは多いのですが、大きな差は次の5つです。
- 審査の有無と発行条件(発行元)
- 引き落としタイミング
- ポイント還元(率)
- 種類の豊富さ
- 支払い方法(一括、分割など)
特に、審査と引き落としタイミングの2つはデビットカード最大の特徴とも言えます。
デビットカードとクレジットカードを比較した上で、デビットカードを選んでいる人の多くはこの2つが理由だと考えられます。
それでは、1つ1つを詳しく見ていきましょう。
①デビットカードは審査なしで誰でも作れる?
基本的にデビットカードは収入や職業などによる審査は行われません。
そのため、学生でも無職のタイミングでも発行ができます。
ただし、誰でも作れるというわけではなく、デビットカードによっていくつかの条件があります。
例えば、楽天銀行デビットカードの申込条件は次の2つです。
- 楽天銀行の口座を持っている
- 満16歳以上である
年齢についてはデビットカードによって違いがあるので、作りたいカード毎に確認が必要です。
デビットカードは銀行が発行元
また、デビットカードは銀行がカードの発行元になります。
そのため、デビットカードの年齢制限は各金融機関ごとに異なり、基本的には発行元の銀行口座が引き落とし先となるのです。
デビットカードの申込と同時に口座開設の手続きができることが多いので、先に口座だけを開設する必要はありません。
②デビットカードは即座に引き落としされる
クレジットカードの場合には、利用してから1か月〜2か月程度の時間差があって引き落としが行われます。
そのため、今現在では銀行口座にお金がなくても引き落とし日までに入金すれば滞納にはなりません。
一方で、デビットカードの場合には決済と同時に引き落としが行われます。
もし、残高不足の場合には引き落としができないため、買い物自体ができないのです。
③デビットカードはポイント還元がない?
多くの方がクレジットカードを使う理由の1つは、決済金額に応じてポイントが還元されるからです。
100円に対して何%分のポイントが付与されるのかを「ポイント還元率」と言い、1%を超えると高めの還元率だと言えます。
この場合、年間100万円の買い物を現金払いからクレジットカード払いに変更するだけで、1万円もお得になるのです。
一方で、デビットカードの場合にはこのポイント還元がない、もしくは還元率が低い傾向があります。
一部のデビットカードは還元率1.00%ですが、多くは0.5%以下なのでポイント還元が目的ならクレジットカードの方がメリットが大きいのです。
また、ポイントではなくて、キャッシュバックという形をとっている金融機関もあるため「ポイントは使いにくい」という方はデビットカードが向いているでしょう。
④デビットカードは種類が少ない?
デビットカードはクレジットカードと比較すると種類が少ないです。
種類が少ない上に特徴に差がないケースも多く、現実的に考えると新規発行の候補になるデビットカードの種類はかなり限られます。
そのため、自分の生活スタイルに合わせてぴったりのカードを選ぶことができないケースもあり、結果としてクレジットカードと比較するとメリットが小さくなるケースもあるのです。
また、銀行のキャッシュカードと一体になっているタイプもあるので、普段使っている銀行のデビットカードを使っているという方も多いようです。
⑤デビットカードの支払い方法は一括のみ?
デビットカードで支払いをする場合には、選択できる支払い方法は「一括払い」のみです。
銀行口座の残高から即座に引き落としがされるので、2回払いなどの分割で決済することができないのです。
分割払いの他、クレジットカードでできるやリボ払いもできないので注意が必要です。
そのため、高額な買い物や契約の場合にはあまり向いていません。
実は、2回までの分割であれば分割手数料がかからないクレジットカードも多いので、金利が発生するローンなどを組まなくても分割払いが利用できるのです。
一方で、デビットカードの場合には常に口座の残高を確認しながら買い物をする必要があります。
デビットカードとクレジットカードでほぼ変わらない3つの項目
ここまでは、デビットカードとクレジットカードの違いについて説明してきましたが、同じ、ほとんど変わらない点もあります。
- 使えるお店はほぼ一緒
- 年会費はカードによって違う
- 海外・インターネットショッピングでも利用可能
デビットカードが使えるお店はどこ?
デビットカードには2種あり、それぞれで使えるお店が違います。
- 国際ブランド(VISA・JCBなど)
- J-Debit(ジェイ・デビット)
多くのデビットカードはVISAやJCBなどのクレジットカードでもお馴染みのブランドのものですが、中にはJ-Debitという種類もあります。
VISAやJCBのデビットカードなら、それぞれのマークがついたお店で利用できるので、VISAやJCBのクレジットカードが使えるお店ならデビットカードも使えるということになります。
一方で、J-Debitは銀行のキャッシュカードに付帯されているケースが多く、J-Debitの加盟店でのみ使用できます。
日本デビットカード推進協会によると、33万か所で使用できるそうですが、国際ブランドのデビットカードと比べると使用できない店舗が多いのが現状です。
デビットカードにも年会費ありとなしがある
デビットカードの年会費については、クレジットカードと同様にかかるものと、かからないものがあります。
ただ、デビットカードの場合には種類の割に年会費が必要なものが多く、ポイント還元率からしてもあまりお得ではないと言えます。
また、同じ金融機関でもどのブランドを選択するかによって年会費が異なるケースもあります。
例えば、楽天銀行のデビットカードは、JCBなら年会費は無料ですが、VISAの場合には1,029円の年会費がかかります。
デビットカードを選ぶときは、年会費無料、還元率高めのものを選ぶのがおすすめです。
デビットカードは海外でもインターネットショッピングでも使える
デビットカードは、クレジットカードと同様に海外でも、ネットショッピングでも支払いに使えます。
海外で多額の現金やクレジットカードを持ち歩きたくない場合、ネットショッピングの代引き手数料がもったいない、銀行、コンビニ振込が面倒な場合にはデビットカードは便利です。
デビットカードは現金感覚で使いすぎないのがメリット
ポイント還元率などではクレジットカードにメリットがありますが、デビットカードが即座に口座から引き落としがされるので現金に近い感覚で使いすぎを防止できるのがメリットです。
クレジットカードは、使ったタイミングと引き落としされるタイミングがずれるので、知らない内に使いすぎてしまっていたということも。
設定をすれば、デビットカードの利用をすぐにメールで受け取ることもできるので、残高がいくらあって、どのくらい使ったのかを把握しやすいのです。
アプリがあるデビットカードなら、すぐに口座残高や利用履歴を見ることができるので、家計の管理も楽になります。
また、年齢などの条件はあるものの、クレジットカードのような審査はないため発行までがスピーディで、作りやすいのもメリットと言えます。
デビットカードは銀行残高以上は使えないのがデメリット
デビットカードのポイント還元率については、高めのカードを選ぶのであればクレジットカードと比較しても大きくは劣りません。
しかし、デビットカードは一括払いのみで、銀行の残高以上は使用できない点は大きなデメリットです。
キャッシュレスが目的なら問題ありませんが、大きな買い物をする場合などには向いていないと言えます。
まとめ:デビットカードが向いている人
デビットカードとクレジットカードの大きな違いは、発行に審査があるか、引き落としがされるタイミングはいつかです。
審査がなく、即時引き落としのデビットカードは、クレジットカードが発行できない年齢の人、使いすぎが怖い人におすすめです。
また、過去にクレジットカードやカードローンの滞納がある場合には一定期間は信用情報に傷がついた状態となります。
その場合は、カードの審査に通るのは難しいので、デビットカードで支払いをするのがいいでしょう。
JCBやVISAのデビットカードであれば、クレジットカードが利用できる店舗で使えますし、ポイントも貯まってお得なのです。